阿武隈 twitter版

    follow me on Twitter

    試行錯誤の荒天(航海)食

    巡航における搭載食糧の定数」で“航海(携行)食”という項目を挙げましたが、これは“荒天(行動)食”と書くべきでした。

     航海中に海が荒れてくると、ギャレーで調理することはできなくなり、オートパイロットが利かなくなってティラーから手が離せなくなります。こうなると、調理しなくても食べられるものを片手で口に放り込むようにして食事を取ります。簡単に食べれて高カロリーであることが求められる性質は登山の行動食と似ています。

     ただし、荒れた海で激しく揺れる船で食する“荒天食”では、「食べても気持ち悪くならない」ことも必要です。「阿武隈」でもいろいろな食材を試してみました。

    ・クッキー系やクラッカー系は口の中の水分がなくなるので×。
    ・ポテトチップス系やスナック系は好物なのですが、油や臭いが鼻について気持ち悪くなるので×。
    ・バナナはよく利用しています。ただ食べ続けると甘さに飽きてしまうのが難点です。
    ・レーズン入りロールパンは口が渇くことなく、気持ちも悪くならないのでよく利用しています。ただし、波をかぶってドロンドロンになってしまったり、甲板を動き回っているうちに踏み潰してしまうことが多々あります。
    ・魚肉ソーセージは腹持ちもいいし食べやすいので重宝しています。食べ過ぎると舌がざらついてしまうのは私だけでしょうか。
    ・こんにゃくゼリーは口が渇くこともなく味に飽きることもなく、そして腹持ちもいいので便利です。「阿武隈」ではいろいろな味が詰め合わせになっている徳用の大袋を常備するようにしています。
    ・切り餅は「味がないんじゃないの」と思うかもしれませんが、揺れが激しい船ではほのかなもち米の味がちょうど良かったりします。小分けされてひとつずつパックされているものは長期間保存できるし、一度暖めると冷えても食べれるので、船の荒天食としては最高であると現時点では評価しています。

     ということで。
     2年前にオートパイロットが壊れてしまって以来、荒天でなくともティラーから手を離せない「阿武隈」では、出航する朝に「切り餅」を数個まとめて暖めておいて、「こんにゃくゼリー」「魚肉ソーセージ」「バナナ」「紅茶を入れた保温水筒」を甲板に用意して出航するようにしています。

    0 件のコメント: