阿武隈 twitter版

    follow me on Twitter

    台風2号がやってくる

    5月28日 土曜 雨

    台風2号がやってくる。翌日から1週間の渡洋作戦を控えていたので迷うところだが行かねばならぬ。1400、「阿武隈」上船。左舷スターンのスプリングに使っている係留索の「あまり」を取り出して、左舷スプリング、桟橋クリート、左舷バウスプリング、右舷バウクリート、右舷バウライン、右舷バウ桟橋クリート、と張って増し舫とする。

    1500、下船。管理棟で「SnowLight」船長と会う。b-mobile SIM U300環境でGoogle Maps がどれだけ使えるのかを説明。そのあと、androidで使えるNAVIONICSも紹介した。

    1600、「SnowLight」船長のジムニーで三崎口まで送っていただく。ありがとうございました。

    二段縮帆で帆走する

    5月8日 日曜 晴れ 南西の風 風力6(阿武隈独自基準)
    春の連休最終日にようやく「阿武隈」に行けた。日本の祝日と関係のない国と付き合っているとこういうことになる。
    久しぶりにモトラを駆って港に向かう、が、疲労困憊。1130、「阿武隈」に上船したものの、休憩してから艤装にかかる。結局、出港できたのは1300。レギュラージブと一段縮帆のメインで帆走開始。南南西の風をアビームで受けて南東に下る。本船航路手前で間切って南西に向かう。このあたりから風が西に回って強くなってきた。MICS剣埼灯台を確認すると13米を示している。ウエザーヘルムがきつくなり、風下舷のスタンションを波が洗う。
    一段縮帆から二段縮帆への決断は難しい。すでに海況が厳しくなっているので、ゆれる甲板で縮帆作業を行う恐怖を克服しなければならない。一方で、無理な力をリグにかけたまま帆走を続けていると、セイルやリギンが損傷する可能性もある。
    と、逡巡しているうちに、舵柄を持つ腕が
    ウエザーヘルムに耐えられなくなってきた。シングルハンドなので、面倒でも確実な手順を脳内で確認してから「阿武隈」をヒープツーさせて二段縮帆作業にかかる。
    以前、 YachtBBSで、ヒープツーさせて縮帆するのは危険だから、詰め開きで帆走しながら行うべきだと意見されたことがあった。しかし、自分の経験では、ヒープツーさせると船の動揺が抑えられて安全に作業ができる。ヒープツーは、ヘッドセイルとメインセイル、舵のバランスで船の姿勢を保つので、メインセイルを風向きに平行になるまで開けば危険はない。「阿武隈」でも、以前は詰開きで帆走しながら縮帆していたが、ちょっとした加減で間切ってしまうのと、船の動揺が激しいことと、シバーするセイルに煽られてブームが暴れるなど、とても危険で作業ができる状況ではなかった。
    ヒープツーの縮帆作業に警告してくれた人たちは、なぜか共通して「自分は経験したことはないが、ヒープツーはメインセイルを小さくした状態でやるものと教本に書いてある」と説明してくれた。ヒープツーに限らず、自分は経験していないのに教本に書いてあるという理由で何よりも正しいことと考え、人が経験で得た方法を否定し、自分の意見に従うように強要する船長は多い。
    せっかくだけど、私は机上の空論より自分やほかの船長が実際に経験してうまくできた方法を信頼する。
    2段縮帆の作業が思っていたよりも容易にできた。ヒールは20〜30度程度に抑えられ、なによりウエザーヘルムがほとんどなくなって舵柄を押さえる力が要らなくなったのが助かった。ヘッドセイルがレギュラージブのままだったので、メインセイルとのバランスが悪かったり、オーバーパワーになるかと思ったが、そういうこともなかった。
    そのまま、快適、かつ、豪快な帆走で相模湾を行って戻って、1800に帰港した。春の連休で出港できたのはこの日だけだったが、この数時間で満腹になるまで帆走できた。解装して1930下船。モトラで帰ったが、家に着いたら筋肉痛で体が動かなかった。