阿武隈 twitter版

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    船に泊って舵を直す

    9月16日 晴れ

     2000、上船。まだプロパンが補充できていないので夕食はほか弁にした。食事が終わったら甲板で茶を飲みながら満天の星を見る。

     2200、就寝。風が寒くて何度か目を覚ます。0200、ハッチを閉じる。久しぶりに船で泊った。


    たしかにほか弁はおいしくて便利でこれで事は足りるけど、船なんだから、やっぱりギャレーで作って食べたい

    9月17日 晴れ、朝のうち、時々雨。南西の風15メートル(剣崎灯台観測値)

     0700、起床。レーズンパンとポテトサラダの朝食。0800、SILVERWAVES(リベッチオ)とSeaWalker II(ヤマハ 26)が相次いで出港。


    SILVERWAVES 出港

     きょうこそFRP作業を行うつもりで準備を始める。スタンションを取り外そうとレンチを手にしたとたん、晴れていた空に黒い雲が押し寄せてにわか雨が強く降る。晴れる、降るの繰り返しが0900まで続く。


    いきなり雨が強く降ってきた


    いきなり晴れた


    また降ってきた


    雨の中、SeaWalker IIが帰港した


    また晴れてきた

     FRPの作業をあきらめて、晴れ間に舵のガタツキを修理する。舵柄と舵軸の取り付け金具を取り外すと、ボルトを通す穴が電食を起こして崩れていた。一部にはクラックも入っている。何らかの対策が必要。


    舵柄を取り外す


    舵柄の取り付け金具が電蝕を起こしていた


    プラスチックのカバーを外す。この状態までなら舵は落ちない

     舵柄ががたつく原因になっている取り付け金具と舵軸トップの隙間にゴムシートを挿入する。取り付け金具の内側に細く切ったゴムシートを両面テープで貼り付け、そのまま金具を舵軸トップにはめ込んだ。ガタツキは収まったが、ゴムシートが厚すぎたようで舵柄の角度を変えるのが困難になった。もう少し薄手のゴムシートが適しているようだ。


    帯状にゴムシートを切り、ジェル状の両面テープで金具の内側に固定する

     昼過ぎあたりから港でイワシが大漁。タモ網ですくっても取れるほどだ。私は釣りに参加しないで、次々とイワシをさばいている作業を見物していた。うろこをはがして、頭の後ろから包丁を入れて背骨を一気に裁つが、頭を全部は切り落とさない。背骨を裁ったらそこで包丁を止めて、頭と内蔵を一緒に抜き取る。新鮮なイワシならこういうことができるそうだ。

     イワシは50匹も釣れただろうか。そのうちの16匹を貰い受けた。ライフラインで干す。


    ライフラインにイワシを干す。風が強いのと日差しが強いのとで、半日で十分水気がなくなった

     「阿武隈」の正面に係留している「みらい」(SK25)の船長にFRP作業で質問する。ポリエステル樹脂の代わりにエポキシ樹脂を使うと強度が増すとアドバイスを受ける。あわせて、FRPは毛細現象で水を吸うから上から塗装すべきとのアドバイスも。船に塗料が残っていなかったので、結局きょうはFRP作業ができなかった。

     「みらい」船長と話しているときに、「スループジョンB」(ヤマハ マイレディ 25)の船長と“再会”した。この人がいなかったら、私は船を始めることができなかったと思うほどに、とてもお世話になったかただが、“船長”としてお会いするのはその日が初めてだった。普段は平日にMMFへ来ているそうで、だから、いままで顔を会わせることがなかったのか。

     お盆休みに伊豆諸島方面へ巡航に出た「OFF」(ソレイユルボン)の船長に伊豆諸島の海況を聞く。黒潮が北上していて伊豆大島から先は、まったく進めないらしい。エンジンを回しても2ノットぐらいしか出なかったそうだ。

     南の風がどんどん上がってくる。大型フェンダーに溜まった海水を抜き取る。1500、まるよし食堂で昼飯。きょうのラーメンはスープがちょうどいい味加減だった。麺はちょっと固かったが、私の好みでおいしかった。

     夕方、阿武隈の斜め前に係留しているパワーボート「VAYAGEIII」の船長家族とクルーがイワシを釣っていた。VAYAGEIIIの船長は諸磯の京急マリーナにもヨットを係留していたが、その船を売却して、新しい船を捜しているそうだ。鳥羽パールレースや相模湾を横断する外洋ロングレースの経験が多く、それに耐えうる船を捜しているといっていた。もし良かった一緒に出ましょうどう、と誘っていただいた。

     1600ごろ、SILVERWAVEが帰ってきた。風がだいぶ上がってきていたのでちょっと心配していた。でも、ベテランの船長だけあって、「帆走にちょうどいい風。波をだいぶかぶったけれど」だったそうだ。

     残っていた2リットルペットボトルを1本開けた。残り1本。ライフラインに干していたイワシを回収。1700下船。

     きょうは、たくさんの人と会話をした。

    擦れた舫いを張りなおす

    9月9日日曜 晴れ 南西の風6メートル(剣崎灯台観測値)

     1230、自宅出発。依然としてモトラは動かないので、電車とバスで向かう。この場合、三崎口からバスに乗るのだが、このバスが「こない」「動かない」で閉口する。「栄町」バス停で下車し、徒歩15分で宮川漁港に着く。1430。行きは2つの下り坂と1つの上り坂。まるよし食堂でラーメンとライスで昼食。スープがちょっと辛かったな。

     金曜日までの構想では、土日と泊り込んで「今度こそFRP」のはずだったが、土曜日の用事が深夜まで終わらず、結局、日曜に起きたのは昼近くという体たらくだ。ただ、遅く着いたら遅く着いたで、ガタの多いティラーの修理をしようと思っていた。

     おお、何たることか、船の鍵を忘れてキャビンに入れない。

     しかし、台風9号の後始末で、甲板にいるだけでも、やらなければならないことがたくさんあった。波が港内に打ち込んで上下動がかなり激しかったとは、ハーバーマスターからも聞いていたが、そのためか、阿武隈のミジップからとっていた舫いが一本切れていた。切れていたのは本舫いだった。火曜日に舫いを増しておかなかったら危ないところだった。

     そのほかの舫いも、クリートで擦れてダメージを受けていた。もやい結びでループにしていた部分を解き、擦れしまったエンドを捨てて、再度もやい結びでループを作り直す(実は、シーナイフをなくなったままなので、擦れたエンドの部分はそのまま残してある)。船側のエンドも長さを再調整してクリートに留め直した。

    次回来たときに擦れた舫いのエンドを切り捨てること


    次回来たときに、再調整して場所の変わった舫いのクリート位置をマーキングすること。

     ほかに、台風で吹き荒れた強風の影響で、ほどけてしまったブームを固定する雑索を結びなおし(左舷からジブハリヤードを使い、右舷からスピンハリヤードを使って固定した)、擦れて切れてしまったキャットハープの雑索を交換する。

     上記作業をこなして、ひと休みしたところで1730。ちょうど日も暮れてきたのできょうはここで下船。帰りは「アリエッタ」の共同オーナーに三崎口まで送ってもらい、そのオーナーの1人と一緒に京急で帰ってきた。楽しかったです。ありがとうございました。

    漁協保険の申込書を受け取る。今月中に再契約の手続きをしておくこと。

    モトラのエンジンをショップに相談する。

     時期がさかのぼるが、8月のお盆休み前に、いつもお世話になっているホンダウイングにモトラを持ち込み、抱き付けさせてしまったエンジンの件で相談する。音を聞いた限りでは、シリンダーとピストン、そのリングが損傷しているという。クランクケースから異音は聞こえないので腰上部分の交換で対処可能らしい。

     ホンダのパーツ在庫を調べてもらったところ、ガスケット、リング、それになんとシリンダーが調達できる。しかし、肝心のピストンが欠品だ。これは、中古エンジンを探して、そのピストンを流用するしかない。中古エンジンに組み込まれているピストンが無傷かどうかは、購入して解体するまで分からない。状態のいい中古エンジンが入手できたら、そのまま載せ換えてもいいわけで、これなら自分でも作業ができる。

     ショップに腰上交換作業をお願いしたときの費用は2~3万円。これにパーツ代が加算される。中古エンジンの相場は2万円台後半から3万円前後。新品のシリンダーとピストンを入手する最も容易で確実な方法が、ボアアップキットであるというのは、考えさせられる。

     エンジンオイルに注意していれば、近場を走る分は問題ないという。相変わらずマフラーから青い煙りがあがっているが、エンジンの始動は前よりよくなった。

    台風9号に備えて荒天準備

    9月4日 火曜 晴れ

     台風9号が、今週木曜の6日から翌7日にかけて向かってくる可能性が出てきた。荒天準備のためMMFに行く。本当は、日曜に行くはずだったが、土日が仕事でとられたため、ひと段落したきょうになって、なんとか時間を作ることができた。半休をとるとき、理由をごまかしてしまったので、心苦しかった。

     1700、上船。ほぼ1カ月ぶりの「阿武隈」だ。誰もいないと思っていたら、隣に泊めてある「SILVER WAVE」の船長も台風に備えて来船していた。

     「阿武隈」の荒天準備といっても、舫いを2重にするだけなので、作業はすぐに終わった。バス停から歩いて港に行く途中で購入したほか弁を甲板で食べる。久しぶりに静かな時間を過ごす。夕焼けで宮川湾の山肌が朱色に染まった。

     1800、下船。20分歩いてバス停に着いたときは、もう暗くなっていた。