阿武隈 twitter版

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    大西が吹き始めた

    10月26日 曇り時々雨 南西の風17メートル(剣埼灯台観測値)

     1300MMF到着。午後から西の風が強く吹く予報だったが、港に着いたら風が落ちていた。剣埼灯台の風向は西に変わっていたので、もうすぐ吹き上がるだろう。

     出港して、ストームジブをあげたときの帆走がどんな感じになるのか試してみようかと思ったが、ハーバーマスターに「きょうは出ないでくださいよ」と釘をさされて港にとどまる。こういうとき、出港するもしないも船長判断、ご意見無用、という意見もあるが、遠慮がちに「出ないでくださいよ」と口にするハーバーマスターの気持ちを思うと、自分としては「そうですね」となる。

     まるや食堂でラーメンを食べてから1400上船。なにもせず、ボケーっと1時間。それから、ちぎれて久しいジブセールのテルテールをメインセールから移植。(なぜか脈絡もなしに)ファーストエイド物資の確認。ついでに備蓄食糧の残りも確認。

     初代阿武隈から載せている古い歯ブラシや石鹸を処分する。封を開けていないホテル用歯ブラシはゲスト用として残す。カートリッジガスと防虫スプレーに穴を開けて廃棄。

     上記作業を小一時間ほどで終了。茶を飲みながら伊豆諸島のハーバーガイドを読む。17時前なのに暗くて文字が読めない。いつのまにか、日没時間も16時台になっている。西風がどんどん上がってきて16時観測値で剣埼灯台17メートルに達した。1715下船。

     宮川町バス停から三浦海岸駅行きのバスに乗る。約30分で三浦海岸駅に到着。

    三浦漁港(神津島。2008年9月7日寄港)

    注意:ここで紹介するのは2008年9月7日から同8日時点における情報です。実際の寄港にあたっては、現地の人から情報を入手して、その指示に従ってください。

     三浦漁港は神津島東岸に位置する漁港です。神津島の主要な集落や観光地などは神津島西岸に集中しています。東海汽船が主に使用する港は西岸にある神津島港になりますが、三浦漁港にも東海汽船が使用できる大きな突堤が用意されています。神津島港のほうが規模が大きいのですが、プレジャーボートの係留には三浦漁港を勧められることが多いようです。

    ●三浦漁港が収録されている海図
    海図W51「伊豆諸島」
    電子海図「JP34NC9C」
    PEC「東京湾とその付近」
    に三浦漁港が記載されています。
    ・W51とJP34NC9Cでは海岸線や岸壁の描画精度は高くありません。
    ・PECでは従来の東側防波堤、北側防波堤、東海汽船が使う突堤は描かれていますが、建設中の東側外防波堤は記載されていません。
    ・Google Mapの地図表示では、PECと同じ従来からある防波堤しか記載されていませんが、航空写真表示にすると東側外防波堤まで含んだ現状に近い状況が確認できます。

    ●三浦漁港の港湾や周辺の詳細が収録されている書籍など:
    ・「プレジャーボート・小型船用 港湾案内 南方諸島(伊豆諸島・小笠原諸島)」
    (Webで「プレジャーボート・小型船用 港湾案内 南方諸島(伊豆諸島・小笠原諸島)」を参照する方法はこちらを参照してください)

    ・舵社が発行している「ハーバーガイドブック第1集 三浦半島・伊豆諸島編」

    ●記載内容のアップデート:
    ・港口外の東側に記載されている一文字の防波堤は、南に延長されて陸とつながっています。入港するときは沖から見て右側(北側)から入港するようになります。

    ・高処山とその中腹にある道路が顕著な目標として利用できます。

    ・丸島の先端も沖から視認できますが、背景とまぎれてしまうため、それほど顕著ではありません。

    出港した三浦漁港の景観。2008年9月8日5時撮影

    ・外防波堤と従来からある防波堤の間に広い静水面があります。奥(南側)に入るとイケスや海水浴場と思われるブイで囲われた水域があるようでしたが、それでも、セールダウンやフェンダー、係船索のセットを行えるだけの広い水面がありました。ただし、2008年9月時点では工事中で着岸できない状況です。

    ・従来からある内側の東側防波堤先端には「伊豆三浦港防波堤灯台」が設けてあります。灯質はFl G 3s。

    ・外防波堤と東海汽船が使用する突堤の先端に黄色灯標が設置されて夜間には同期して点灯するのを確認してます(ただし、灯質は未確認)。

    ・従来からある内側の北側防波堤に設置されている街灯は夜間に点灯されません。しかし、東側防波堤からサーチライトで照射されているので夜間でも目視可能です。


    手前は東海汽船の突堤。向こうにあるのは東側外防波堤の北端。この間が外港の入り口になる。先端に見える黄色灯柱は夜間に同じタイミングで点滅する。2008年9月7日18時撮影



    明るく輝いているのが対岸から内港北側防波堤を照射するサーチライト。その左で青く(緑に)光るのが伊豆三浦港防波堤灯台(Fl G 3s)。その左側に輝いているのは東海汽船突堤に停泊していた作業船の灯り。左端の橙光は突堤の街灯。2008年9月7日夜撮影

    ●入港航路
    ・神津島東岸にある祇苗島南端の岩礁を越えると、天上山大崩落の左側(南側)に三浦漁港の東側外防波堤とその奥にある丸島の先端、さらにその背後にある高処山が視認できます。



    出港した直後に三浦漁港を撮影する。右寄りに見えるのが高処山。山腹に横切る道路の筋が顕著。中央左寄りが建設中の東側外防波堤。南端(画面左端)は陸とつながっている。中央やや右寄りに丸島の先端が見えるが顕著ではない。その右脇に見える白い建物状の目標は突堤に係留している作業船のもの。2008年9月8日早朝撮影



    ・現在整備中の東側外防波堤の右端(北側)と、さらにその右側(北側)にある東海汽船突堤の間から港内に入り、丸島に向かいます。左側に見える静水面を過ぎ、従来からある防波堤の先端(北端)にある灯台と陸側から東に伸びる(入港する船からは奥から手前に伸びているように見える)防波堤の間にある港口から漁港に入ります。

    ・丸島付近は海水浴場になっていて、遊泳者が漁港入り口付近まで遊弋していることがあるので、海面の見張りを厳にする必要があります。


    東海汽船突堤の東端から内港入り口と丸島を見る。これは入港直後の景観に近い。2008年9月7日夕方撮影


    東海汽船突堤から内港入り口を見る。伊豆三浦港防波堤灯台の内側にも小規模な堤が陸側(西側)に伸びている。丸島周辺、東海汽船突堤付近で人が遊弋している場合があるので見張りは厳にすること。2008年9月7日夕方撮影



    ●係留場所
    ・通常の場合、漁港入り口から右に(陸側に)伸びる北側岸壁に係留します。

    ・陸側(西側)岸壁には地元漁船が係留していますが、地元漁船のあいだにセーリングクルーザーが係留している状況が個人のBlogで報告されています。

    ・漁港奥(南側)は地元の漁船やダイビングショップのサポートボートが係留しているので、外来艇は近づかないほうが無難です。


    三浦漁港の北西端から撮影した。手前が北側防波堤。外来艇は主にここの防波堤に係留する。2008年9月7日夕方撮影


    三浦漁港南東端から陸側岸壁(西側岸壁)を見る。手前は三浦漁港の奥側、向こうに見えるのが北側防波堤。2008年9月7日夕方撮影



    ●係留方法
    ・槍付けが基本と聞いていますが、夏のお盆時期に横付けした外来艇に二重三重と横抱きして係留している状況が個人のBlogで報告されています。

    ・岸壁は高く、26フィートのソレイユルボンではバウパルピットにのってようやくよじ登れる状況でした(中潮の干潮時)。

    ・岸壁の一部に低い段を設けた場所があります。ただ、使いやすいだけに、外来艇が横付けして占有していることもあるようです(個人のBlogで2008年に確認)。

    ・岸壁の壁面に係留用のリングが用意されているので、係留作業そのものは容易に行えます。


    北側防波堤の状況。船首右側と左側の壁面に係留用のリングが設置されている。船首左側には一段低くなった部分が一部見えている。2008年9月7日午後撮影


    北側防波堤の一部分に設けられた一段低い箇所。2008年9月7日午後撮影


    ●岸壁で利用できる携帯電話
    ・au(CDMA 3G):圏外
    ・softbank mobile:圏外
    ・docomo mova:圏内

    ●トイレ、シャワー、チャンドラー
    ・徒歩圏に食料品が購入できる商店、入浴施設、温水のでるシャワー施設は確認できませんでした。
    ・丸島のある海水浴場から砂浜を上がったところにトイレとシャワーがあります。

    ●燃料、清水補給
    ・2008年9月の寄港では、燃料、清水ともに補給していないので、このあたりの事情は分かりません。


    (ここで掲載した情報は参考資料であって、航海の安全を保障するものではありません。各自が入港する場合は正式な海図に基づいて操船してください。この情報を基に事故や損失が発生しても当方は一切の責任を負いません)

    秋の微風で帆走する

    10月13日 晴れ 北東の風 風力3から1(阿武隈独自基準)

     1030自宅出発 1145三浦海岸駅下車 1156剣埼経由バス乗車。1246上船。ハーバーマスターに船舶保険の申込書をわたす。保険料1万円は支払い済み。係船索にフェアリーダー位置の目安を黒テープでつける。あわせて、使用する場所が区別できる印(右舷フォアは線一本、左舷スプリングは線二本、右舷アフトは線三本)もつけておく。

     1345出港。1356セールホイスト。ジブとフルメインの組み合わせで、そろそろと東へ向かう。風がどんどん落ちてきて、ヘッドセールをジェノアに換えるべきなのだろうが、使い終わったあとの片付けが面倒でそのまま帆走を続ける。左舷開きでクローズドリーチ。風力は3程度か。




    まだ15時前だというのに海が茜色に染まる

     1500反転して西に向かう。右舷開きでアビームに近いクオーターリー。三浦半島のブランケットから逃れるためにジャイブして南下する。ジャイブを繰り返し南下と西行を繰り返す。いよいよ風が落ちて1550エンジン始動。1630帰港。1730下船。

     遠洋漁業向け無線塔の背後に丸い月が昇っていた。


    MMF入港直前。親子がローボートで釣りをしていた。いいね



    18時前だというのにもう暗くなってきた。月齢13.8

    海王丸と日本丸を識別する

    10月4日土曜 晴れ 南南東の風 5メートル(東京13号地観測値)

    所要で、午後からパワーボートで海に出た。
    田町駅から歩いて10分ほどにある運河から出港、水門をぬけてレインボーブリッジをくぐり、豊洲海域にいたる。
    途中、晴海ふ頭で停泊している日本丸と海王丸を見る。

    どちらが「日本丸」でどちらが「海王丸」か

    それぞれが単独で航行している姿は浦賀で見たことがあるが、2隻が一緒にいるところは初めて見た。パワーボートのスキッパーに日本丸と海王丸を遠景で見分ける方法を教わる。ハルラインの色が「日本丸=濃い青」「海王丸=薄い青」とのこと。それ以外に、救命艇の色が「日本丸=オレンジ」「海王丸=白」というのも遠景で見分ける方法として知られている。有名な識別方法としてフィギュアヘッドの違いが挙げられるが、これで遠景から識別するのは困難だ。
    1400、日本丸がタグボートの支援を受けて出港。その後、海王丸が出港して日本丸に続航する。

    ヒトヨンマルマル、日本丸出港

    私が上船したパワーボートは1500に田町の運河に帰港した。
    急きょ仕事が入って、この週末は「阿武隈」に行けなくなった。