阿武隈 twitter版

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    機走で少しだけ南下する

    12月28日 日曜日 晴れ 北東の風 風力2(阿武隈独自基準)

    1230自宅出発。1430MMF到着。港にハワイアンが流れている。陽気な外来艇が入港しているのかと思ったら、意外にも管理棟のスピーカーから流れていた。

    保田から帰ってきた「TallBoy」の着岸を補助。船長と奥さんが船内を片付けている間、クルーの娘さんに遊んでもらう。

    1500「阿武隈」出港。伊豆半島も伊豆諸島も大西が吹いて風速20メートルを観測しているのに、剣埼灯台は「風弱く」を報じている。きょうは機走で南下する。風は弱いがうねりがのったりと南から入ってくる。城ヶ島南岸沖で昼食。塩漬け鶏肉と玉ねぎのスライスを煮る。食事を終えて反転。港に向かう。

    1630、きれいな夕焼けの中を帰港。煮汁に水を加え、沸騰させてスープにして飲む。身体が温まる。後片付けで大鍋を海でゆすいでいたら、なぜか手から離れて沈んでいった。ああああー、初代「阿武隈」から使っていた鍋なのにー。

    小物をギャレーのシンクですすいでいたら、蛇口から水垢が出てきた。清水タンクがもうじき空になる前兆だ。次回、給水すること。

    キャビンでロープワークをさらう。ストーブを使おうとしたら点火しない。着火の火花も出ているしガスが噴出する音もする。寒い時期なのにこれは困った。ガスランタンでわずかばかりの暖をとる。

    いろいろと試してみると、点火時にガスを出しすぎると着火してもすぐに消えてしまうことに気が付く。少しだけガスを出して点火、着火したら少しずつガスの吐出量を増やしてみる。消えそうになったら、ガスをやや多目にする。このとき一時的に炎が上がるがすぐに収まるのでようすをみる。これで、再びストーブが使えるようになった。

    1950下船。

    三浦半島西岸を機帆走で北上する

    12月23日 祝日 晴れ 北東の風 風力1(阿武隈独自基準)

    前の日から港に入って「阿武隈」に泊まり、翌日の朝に吹く北の風で帆走しようと思ったが、東京と横浜に雨が降って中止。

    23日は0930自宅出発。三浦海岸駅からバスで宮川町へ向かう。1120「阿武隈」上船。午前中は風が元気に吹いていたそうだが、昼を過ぎたら力尽きたように弱くなっていった。ハーバーマスターに聞くと昨夜三崎は雨が降らなかったとのこと。なんだー、それならきのうのうちに上船して午前中に帆走すればよかったー。手遅れ。

    1230出港。メインセールをあげるが風弱く帆走できず。機帆走で三崎港をぬけて相模湾に出る。PC用航海ソフトの評価を行いながら油壺、小網代湾沖を北上する。X02HTで使っているWindowsMobile用航海ソフトは三崎港から北の三浦半島沿岸海域の海図を用意しておくのを忘れていた。

    途中漂泊して昼食をとる。出港前に温めたパックご飯に鮭缶を乗せ、熱いお湯をかける。いちおうこれで温かい食事をとることができるが、海が穏やかなときでないと難しいかもしれない。

    荒崎の手前まで来て反転。帰りも三崎港を通ってMMFに戻る。三崎港のなかで係留の準備をする。1620帰港。解装して1700。きょうは「阿武隈」に泊まって、あしたの朝はまっすぐ会社に行く。

    現在、2000。いまから寝て、0300に起きて0400ごろ出港してみようかとちょっとだけ考えていたりする。




    【12月24日追記】
    上の記録を入力した後、PC用航海ソフトをいろいろ試していたら、日付が変わっていた。あららら。それからあわてて寝たが、0400に目を覚ましたらセールをセットするのが面倒になってしまってそのまま寝てしまった。いい風が吹いていたんだがなー。きのう、解装しなければよかった。案の定というかなんというか。

    0700起床。カップスープとクラッカーと紅茶で朝食。0900下船。三崎口から京急に乗ってそのまま出社する。

    強い南風で出港できず

    12月21日 日曜 晴れ 南の風16メートル(釼埼灯台観測値)

    三崎口からバスに乗って栄町下車。そこから歩いて20分で宮川の港に着く。暑くて汗をかいた。風が強い。南に向いた港の入り口が白く泡立っている。これはダメだ。出港できない。まるよし食堂で食べてから「阿武隈」にいこう。

    いつものラーメンを食べようと店に入ったらのりの香りがした。採れたハバノリを干しているところだった。今年はノリの生育が遅れていてこの週末に初めて収穫できたそうだ。ノリの香りに負けてぜいたくにもハバノリ定食を頼んでしまった。

    ハーバーマスターからプロパンの充填が農協で受け付けていることを聞く。詳細を問い合わせるため電話番号を確認する。「HARUKAZE」が午前の強風の中、出港していたとのこと。すげー。

    1320「阿武隈」上船。機関室のビルジを排出してスタンチューブの増し締めをする。ロックナットと袋ナットの回転方向をまた忘れてしまった。過去の航海日誌を読み返して思い出す。

    機関室のシャフト近くに回転方向を示した紙を張っておこうか。デジタルデータにしてBlogに放り込んでおけばX02HTでいつでも検索できるが、確実なのはやっぱり 紙 だ。

    袋ナットの締め付けを調整して滴下速度をシャフト回転時で60秒に1滴にする。シャフトを回転させた状態で、ロックナットを緩めて袋ナットをパイプレンチでじわりじわりと締めていく。注意しないとカップリングのボルトに巻き込まれるのでお勧めできる方法ではない。

     冷却水ポンプのハウジングを固定する下側のボルトがサビで固着して回らなくなった。メガネレンチでグイッとやったらつるんとなめてしまった。大変だー(インペラの交換はカバーを外せばできるけれど)。
    ここのボルトは以前も外れなくなって、そのときは潤滑剤を吹き付けてバーナーであぶってハンマーでたたいてメガネレンチでようやく外したが、今回は最後のメガネレンチでなめてしまった。こりゃこまったね。

    燃料タンクに給油。ポリタンクと缶タンクの軽油が空になった。

    ストーブの反射鏡を磨く。輻射効率が改善してキャビンが暖かくなったような気がする。

    1620作業終了。紅茶を飲んで夕暮れを楽しむ。



    1710下船。宮川町を1730に出発するバスで三浦海岸駅に向かう。

    自宅で待機する週末

    12月14日土曜日 雨のち曇り

     夕方から所用が入った。船から帰ってきてからでも間に合うのだが、ちょっと本腰を入れて取り組まなければならないので、この週末は自宅で過ごす。

     特に季節が影響することをしているわけでもないが、この時期はなぜか港に行く時間がとれなくなる。でも、2007年がこんな感じだったから、まだいいのかもしれない(油断はできないが)。

     人が遊ぶ予定を組み入れたとたん(予定表に組み入れたその日のうちとか1時間後とか)に、それを阻害する案件が発生するのはなぜだろう。一度や二度ではないこの不思議。

    富士を目指して帆走する

    12月7日 日曜 晴れ 北北東の風 風力5のち2(阿武隈基準)

     0930自宅出発、1150上船。持ち込んだ豚肉と玉ねぎ、大根葉の塩漬けをゆでながら艤装をおこなう。ポータブルコンロのガスカートリッジが切れた。予備に交換。残り5本。出港直前に油壺で修理をしていたYeeHawやシーボニアのレースに参戦していたHARUKAZEが帰ってきた。朝が弱い「阿武隈」は1240出港。MMFの入り口付近でセールホイスト。メインをフルで揚げてタックをしたら、右舷後方から接近していたパワーボートに気が付いた。危なかった。転針前に周囲確認の徹底。

     1255ジブとフルメインの組み合わせで帆走を始める。クォーターリーで西に向かう。後ろから風を受けているので針路を自由にとってもいいのだが、クォーターリーから風が後ろに回るとジブがダラリとなって走れない。観音開きでランニングとすべきなのだろうが、落ち着いて走れない。結局、遠くに見える富士山を目標にしつつ、ジャイブジャイブで南西ブイを目指す。



     途中、出港前に煮ておいた豚肉で昼食にする。味つけはよかったが、航海しているうちに冷えてしまった。脂の塊が口の中に張りつく。転倒防止の金枠が付いているジンバル備え付けのガスコンロはプロパンが切れてから久しく使っていない。いまはポータブルガスコンロを使っているが、こちらは固定していないため航海中は使えない。冬の寒い海上で温かいものが食べたい。ポータブルガスコンロをジンバルに固定するか。プロパンの補充はあきらめた。日本沿岸を航海するならカセットガスの補充がはるかに簡単だ。

     1430南西ブイ到達。このまま反転したら日没より大分前に戻ってしまうのでもったいない。しばらく南下してそれからMMFに戻ることにする。反転して風に向かうと風が強い。リーフを入れるが久々で手順を間違えてしまった。

    「阿武隈」のリーフ手順:
    1:ヒーブツーに入る
    2:メインシートを引き込む
    3:ブームバングの解除
    4:メインシートのリリース
    5:メインハリヤードのリリース
    6:ラフを調整
    7:リーチを引き込む
    8:メインシートを引き込む
    9:ブームバングを引き込む
    10:ヒーブツーから離脱
    11:終了

    以上の作業をコックピットとマスト間をよろよろと行き来しながらおこなう。



     左舷開きのアビームで本船航路まで南下し、それからクローズホールドでMMFに向かう。風向きが北北東から東北東の間で頻繁に振れる。風の強さも緩急の入れ替わりが激しく、そして徐々に落ちていった。1530にリーフを解除。しかし風はさらに落ちる。機帆走にするべくジブを降ろそうとすると風が吹き上がったりするので、なかなか帆走をやめられない。そうしているうちにもうすぐ日没という時間になってしまった。

     1600機帆走開始。1630航海灯点灯。MMFに入港直前、メインセールを降ろして係船索を用意しようというときに、三崎港から漁船団が単縦陣で出港してきた。よく訓練された海軍のように絶妙な間隔で一列に並んでいるので割り込めない。一隻の漁船が針路を変えてくれてようやく船列を越すことができた。

     1700帰港。冷めきった豚肉の煮汁に熱いお湯を注いで飲む。体が温まった。なぜか疲労が激しい。休み休み解装して1800終了。南天に上がった半月を眺めながら紅茶を一杯だけ飲む。1830下船。すっかり遅くなってしまった。

    初冬の微風で帆走する

    11月30日 晴れ 南西の風 風力2 のちに北の風 風力4(阿武隈独自基準)

     金曜日に大阪入りして土曜日に仕事。この週末は「阿武隈」に行けないかと思っていたが、思いのほか早く戻れたおかげで、久しぶりに晴れた海に出ることができた。1030モトラで出撃。1300上船。艤装をしながらパックご飯を温める。1カ月以上も船を出していないので、船底には藻が薄く層を成していた。

     1325艤装終了。1340出港。出港してすぐにセールを揚げて帆走する。西風が強いと思ってジブとフルメインの組み合わせを選んだが、風は弱く船足は上がらない。きのうの大西の名残か波が高く、はなはだ帆走に向かない海況だ。

     右舷遠くにそびえる富士山を眺めながら南西に向かう。渡り鳥が編隊を組んで左舷前方から右舷に向かって空を飛んでいった。もう、そういう季節になってしまったか。暖めておいたパックご飯と鶏肉缶詰で昼食。弱い西風を捉えながらそろそろと帆走する。



     あまりに弱い風に眠くなる。目を閉じたとたんセールが騒ぎはじめた。目を開くと風が北に急転していた。1530、反転して東に向かう。風が北に変わってからだんだんと強くなってきた。剣埼灯台を目指し、間切って安房埼灯台を目指し、また間切って剣埼灯台を目指し、もう一度間切ってMMFの入り口を目指す。あたりが山吹色で満ちる。



     1630日没と同時に帰港。1730解装終了。1800下船。西の空に月齢2.3の細い三日月がかすかに、金星と木星がギラリと輝いている。久しぶりに海に出れて爽快な気分だ。先日作った革グローブは、切り落とした部分からほつれてきてしまった。お裁縫で修復するか。