阿武隈 twitter版

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    甲板の修理が終わった

    12月27日 木曜 晴れ

     ようやく船にいける。途中だったFRP修復作業を仕上げたい。それでも、朝は疲労で行くか行かぬか迷った。家族の「船に行ったほうがいいと思うよ」というひと声に押されるように出かける。

     1400、上船。すぐに作業にかかる。重ねすぎて盛り上がってしまった部分をヤスリで削って平らにする。12ボルトの電動ドリルの先につけた回転ヤスリでも、時間をかければなんとかなった。通常の甲板部分なら、それほど神経を使わなくともいいが、スタンションの台座を載せる部分なので注意しなければならない。加えるに、スタンションの台座もちょっとゆがんでいるので、それに合わせられるように調整もしなければならない。結局、ならしながら途中途中でスタンションを載せ、がたつくところを確認しながらヤスリをかけていった。



    前回積層したFRPはカチカチに固まっていた



    ヤスリで平らにならす

     なんとか、我慢できるところまでヤスリをかけたら、塗装する。本来ならゲルコートで覆うところだが、ゲルコートは小分けで購入できない。船具店で相談したら「ちょっとした部分の修理なら車用の塗料でいい」とのことだったので、自宅近所のホームセンターでホンダ用のホワイトスプレー塗料を用意した。見た目を考えると、デッキと同色が好ましいが、「阿武隈」では修理した箇所が分かるように、やや色味を変えるようにしている。スプレーの説明書にあるように少しずつ吹きかけるが、甲板が傾斜しているせいかすぐに流れてしまう。ムラもできやすい。狭い範囲の塗装ならスプレーよりも濃い目の塗料(油性のスーパーガードあたりが最適か?)を刷毛で塗ったほうが作業性はいいのかもしれない。


    塗料が流れてどうしてもムラができてしまう

     塗料を乾かす合間にドリル刃を購入してくる(このときになって、手持ちのドリル刃のサイズがボルトより小さいことに気がついた)。ホームセンターを捜すが、意外なことに宮川港付近には大規模ホームセンターがなかった。ようやく見つけた“町の金物屋さん”で購入する。

     スタンションのボルト穴を6ミリのドリルで開ける。スタンション台座の底部にバスコークを塗りたくって載せ、ボルトにもバスコークを塗りたくって差し込む。甲板の裏側からナットを締めるが、このときすでに日が沈んでしまって手元が見えなくなっていた。ナット径は10ミリ。外側のナットはメガネレンチが使えない。スパナで締め付ける。手繰りで苦労したがなんとか終わった。1700。

     日が沈んでからだいぶ寒くなった。船室でストーブを焚きしばらくまどろむ。片づけをして日誌を書いて下船する。2000。


    見た目はともかく、スタンション基部の甲板修理はとりあえず完了した

     春からずっと懸案だった甲板の修理がようやくできた。ほんのわずかの部分の修理に過ぎず、仕上げもかなり雑だが、FRPを使って自分で船体を修理できたのは大きな収穫だった。「阿武隈」にしてもモトラにしても、2007年は修理の1年だったなあ。

    師走の週末

    12月8日-9日
    急きょ仕事が入って、窓のない会社のテストルームで過ごす。


    12月10日 1時16分16秒

    12月15日-16日
    いきなり仕事が入って、窓のない会社のテストルームで過ごす。


    12月16日 零時29分12秒


    12月17日 1時41分20秒

    12月22日-24日
    予定外の仕事が入って、窓のない会社のテストルームで過ごす。


    12月22日23時52分24秒

    ちょ、ちょっとおぉぉぉぉぉぉ。

    FRP作業に着手する

    12月2日 日曜 晴れ 

     1200、上船。ついにFRP作業に取り掛かる。スタンションを取り外して姿を現したデッキを検分すると、亀裂が入ったのではなく上層のFRPが剥離していることが分かった。剥離した部分を除去して穴あき修復と同じ手法で修理する。一部剥離したFRPをはがすために、スクレーパをタガネ代わりにしてゴムハンマーで打ちつけ、FRPを割った。


    スタンションを取り外す。デッキに亀裂が入ったと思っていたが、上層部分の剥離であることが分かった


    剥離したFRPをはがす。左側にあるはがれかかった部分は割って取り外した


     FRPを取り除いた跡をヤスリで整形する。船に搭載していた充電池式電動ドリルに円盤状の紙やすりを取り付けて作業する。船のロッカーに入れたまま3年ぶりに動かしたが、動作に問題はなかった。充電は船のバッテリーからDC-ACインバータを経由して行う。念のため、FRPの作業中は機関をかけておいた。駆動電圧12ボルトの電動ドリルでもFRPを削るパワーを持っていた。


    修復箇所をヤスリでならした。12ボルトの電動工具でもパワーは十分だった

     ノートの切れ端で型紙を作り、それに合わせてガラスマットをカッターで切り出す。この作業中に大量のガラス繊維が甲板に散乱する。養生をまったく施さずに作業を始めたので、この後始末に苦労することになる。思いのほかガラスマットは厚かった。始めに広い部分を切り出し、次にそのひとまわりずつ面積を減らして切り出す。5層分ほど切り出した後、2つあるボルト穴を埋めるガラスマットを先にカットして余った部分から切り出す。切り出したマットは先に使うものが上に来るように重ねて置いておく(最初の積層作業では、硬化時間が気になって、あわてて手当たり次第にマットを重ねてしまった)。


    ノートを破いて修復箇所にあてがい、型紙を作る

     ポリエステル樹脂をペットボトルで計量して500「ミリリットル」を器に移す。硬化剤の分量は、ポリエステル樹脂「キロ当たり」と重さで規定されているのに「かさ」で判断してしまった。そのまま、500「ぐらむ」に必要とされている4ccの硬化剤をポリエステル樹脂に加えた。

     FRP作業を説明する文章には、「硬化剤を入れたらすぐに固まり始めるから急げ」とよく書かれている。そのためか、最初の作業では、硬化剤を入れた後、だいぶあわてて作業を進めてしまった。しかし、寒かったこともあってか、硬化の進みは思っていたほど速くなかった。

     作業用のプレートにガラスマットを置き、刷毛を使ってポリエステル樹脂をガラスマットに染みこませ、甲板に積層していく。最初、積層用のローラーで脱泡したが、かえって泡だってしまうので、樹脂が固まってしまう前にマットをはがしてやり直す。2回目は、木のへらで泡を「押し出す」感じで脱泡したらうまくいった。ローラーを使うなら、スチール製の脱泡用ローラーを使うのがいいだろう。樹脂を含むと1層分が意外と厚くなった。用意したマットをすべて積層したら周囲より盛り上がってしまったほどだ。


    2回めの作業で何とかきれいに積層できた

     ここまでで、1600。スタンションの取り外しに時間をとられたが、FRP作業そのものは30分もかからずに終えた。あわてなければ、それほど難しい作業はない。積層するガラスマットの準備を整えておき、樹脂に加える硬化剤の分量を間違わなければ時間も手間もかからない。できるだけ広範囲に養生を施すこと。ガラスマットの切り出しは、袋の中で行うのもいいかもしれない。

     硬化剤を加えたポリエステル樹脂を扱った道具はペットボトルに分けたアセトンで洗う。ペットボトルにアセトンを入れても溶けるなどの問題はおきなかった。ただし、使っていた薄手のゴム手袋は穴が開いた。

     余ったポリエステル樹脂にアセトンを加えて溶かし、流れるようになったところで、ペットボトルに移そうとしたら、手元がくるって大量にこぼれてしまった。べとついて、それでいて、硬化することがないポリエステル樹脂とアセトンの混合溶液が後甲板一面に広がった。げげー。

     わずかに残ったアセトンをスワブに含ませて拭き掃除をするが、暗くてすべてふき取れたかどうか確認できない。

     デッキに散乱したガラス繊維の回収とデッキにこぼれた溶液の後始末で時間をとられて日没。硬化したあとの後処理は翌週に持ち越しとなった。

     1700、作業終了。1800、下船。

    11月の3連休は大阪と鎌倉で

    11月11日、11月18日の週末は仕事で動けず。11月23日も大阪で仕事。11月24日25日は“友、遠方より来る”で、鎌倉を散策した。25日はいい天気でよかった。北鎌倉から歩いて鎌倉にいたる。小町通りで人ごみにオボれる。



    大阪は日本橋にある喫茶店。ホットケーキ350円。セットで550円