阿武隈 twitter版

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    (また!)寝過ごしたー。

    1月27日 日曜 晴れ

     この週末は、久々に仕事が入らなかった。土曜日は家族の用事をこなし、準備万端、日曜日の船行きに備えていたのだが。

     日曜日、起きたら正午を過ぎていた! 起きたら家族はみな出かけていた。あとから聞けば、資格試験で朝早く出かけたそうだ。出掛けに、寝ている私に声をかけ、私もそれに受け答えしていたらしいが、まったく記憶に残っていない。だいぶ疲れがたまっていたのだろうか。

     私は朝が弱い。朝早く起きて、午前中に海に乗り出し、昼過ぎに帰港して日没前に帰宅するのが理想ではあるのだが、どうにもこうにも、朝起きられないので、「遅く着いた分、遅くまで海に出てればいいじゃない」と私は開き直って、昼すぎから出港し、日没とともに(冬になると日が暮れてから)帰港するような遊びかたをしている。が、さすがにきょうは遅すぎた。

     天気は晴れ。風も程よく吹いている。もったいないことをしたー。朝が弱いヨット乗りは、前の日から上船していればいい。セーリングクルーザーならそれができるし、船に泊るのも楽しいし。でも、平日家族と過ごせないから、やはり、土曜ぐらいはいっしょにいたい。これが、いまの悩みどころ。

    モトラ出撃せず

    1月19日 土曜  晴れ

     どことは言わないが、またまた、週末に仕事を入れてくれた。土曜に行くか日曜に行くか。予報では日曜に雪が降ることになっていたので、ここは、土曜に行くしかない。果たして、金曜の仕事を早く切り上げることができるだろうか。

     ……案の定というかなんというか、早めに帰宅できたのに、(よせばいいのに)メールをチェックしたら、急ぎ対応の依頼が来ていた。なんとか終わらせて0400。寝床に入る。しかし、眠れないー。そのうち、0600の目覚ましが鳴る。ええぃ、行くか。

    「ぐっ!」

     えらく寒いじゃないですか。こりゃ、モトラで2時間かけて走るのは相当にしんどいですよ。徹夜明けの頭は、早々に「二度寝」を選択した。
     寒くても着込んでしまえば、なんとか海に出られるのは、1月14日で実証済みだ。しかし、バイクで2時間走り続けるのは、かなりキツイ。海の防寒対策よりバイクの防寒対策のほうが深刻。

     窓のないテストルームに出社した日曜は、風もなく穏やかな1日だったそうだ。

    海上で利用する携帯サイト(実測海況編)

     「阿武隈」が、海上で情報を入手するのに利用している携帯サイトのリストです。「阿武隈」では(依然として)movaを使っているので、iモード対応サイトになりますが、ここで紹介しているサービスは、EZ-Webでも、Softbankでも利用できます。ここに記載されているURLをコピー&ペーストでメールに貼り付け、自分が使っている携帯電話のメールアドレスに送信すれば、すぐに利用できます。

     なお、ここに記した情報は2008年1月22日現在のものです。URLやメニュー構成などが随時変更されている可能性がありますので、ここで紹介したサイトが見つからないときは検索サイトなどで各自捜してみてください。

    MICS@海上保安庁(http://www.kaiho.mlit.go.jp/info/mics/m/)

     風速風向の現況とそれまでの時系列変化が全国規模で知ることができます。MICSのトップページから地方を選択し、次いで、その地方に所属する保安部を選びます。保安部ごとに提供している情報に違いがありますが、すべての保安部で、主要拠点(主な灯台や埠頭など)で観測された風向と風速の実況と時系列変化を参照できます。一般的な天気サービスサイトやアメダスと異なり、海に面した地点で測定されたデータなので、海上の状況により近い値が表示されます。また、全国規模で測定地点が用意されているので、隣接する海域のデータを参照して、状況の変化を予測することも可能です。

     知りたい海域の情報にたどり着くまでのメニュー階層が深いので、自分がよく参照する海域をカバーしている保安部の「気象・海象情報」ページのURLをBookmarkしておくといいでしょう。三浦半島南端を母港にして相模湾と伊豆諸島方面を行動する「阿武隈」では、「横浜海上保安部」(洲埼灯台、剱埼灯台、観音埼船通所、第二海堡灯台、本牧船通所、海ほたる、東京13号地)と、下田海上保安部(御前埼灯台、石廊埼灯台、神子元島灯台、神津島灯台、伊豆大島灯台、剱埼灯台、八丈島灯台)の気象・海象情報をBookmarkに登録して、ワンアクションで呼び出せるようにしています。

    MICS@横浜海上保安部(http://www6.kaiho.mlit.go.jp/yokohama/m/)
    メニュー構成
     緊急ニュース
     気象・海象情報(http://www6.kaiho.mlit.go.jp/yokohama/kisyou//i/windex.htm)
        I--洲埼灯台
        I--剱埼灯台
        I--観音埼船通所
        I--第二海堡灯台
        I--本牧船通所
        I--海ほたる
        I--東京13号地
     海の安全情報
        I--工事・行事(横浜地区・川崎地区)
        I--港長公示(横浜地区・川崎地区)
        I--航行警報(東京湾)
     シンボルタワーからの映像
     潮汐日出没情報
        I--横浜-新山下
        I--横須賀
        I--東京-芝浦
        I--千葉-千葉灯標
     その他の情報
        I--お知らせ
        I--イベント情報
        I--マリンレジャー情報
        I--待受画面
        I--MICSとは
     音声による気象情報
     リンク
        I--MICS総合入口サイト
        I--横須賀海上保安部
        I--東京海上保安部
        I--千葉海上保安部
        I--航行警報(全国の航行警報サイトへ)
     連絡先(2008年1月21日現在、“その他の情報”と同じ内容)

    MICS@下田海上保安部(http://www6.kaiho.mlit.go.jp/shimoda/m/)
    メニュー構成
     緊急ニュース
     気象・海象情報(http://www6.kaiho.mlit.go.jp/shimoda/m/kisyou/windex.htm)
        I--御前埼灯台
        I--石廊埼灯台
        I--神子元島灯台
        I--神津島灯台
        I--伊豆大島灯台
        I--剱埼灯台
        I--八丈島灯台
     海の安全情報
        I--地域航行警報(本州南岸_相模湾~駿河湾)
     岬の映像(ライブカメラからの映像)
        I--石廊埼灯台
        I--八丈島灯台
     潮汐日出没情報
        I--伊東
        I--川奈
        I--下田
        I--南伊豆-小稲
        I--妻良-子浦
        I--田子
        I--宇久須
     音声による気象情報(ここをクリックするとダイヤルダイアログが開く)
     リンク
        I--MICS総合入口サイト
        I--三管区内情報(茨城~静岡)
     連絡先
        I--下田海上保安部【管理課】
        I--下田海上保安部【警備救難課】
        I--下田海上保安部【交通課】

    ・城ヶ島沖観測ブイ最新観測データ(http://www.agri.pref.kanagawa.jp/suisoken/Kaikyo/i-buoy.htm

     三崎海域のローカル情報になりますが、神奈川県水産技術センターが提供している三崎港南西約4海里に浮かぶブイ(正式名称は“城ヶ島南西沖浮漁礁灯浮標” MMFのメンバーは単に“南西ブイ”と呼ぶことが多い)で測定した観測データです。水温、流向、流速、風向、風速の情報を知ることができます。
     なお、この情報を提供している「神奈川県水産技術センター」(http://www.agri.pref.kanagawa.jp/suisoken/i/index.htm)の携帯ページでは、海流の情報を提供する「携帯海況図」のサービスも行っています。画像データで提供されるため、パケット代を節約したい場合は、「表示設定」で「解像度=標準」「表示幅の設定=画素数どおり」にするといいでしょう。

    神奈川県水産技術センター 携帯ページ(http://www.agri.pref.kanagawa.jp/suisoken/i/index.htm)
    メニュー構成
     リアルタイム海況
        I--城ヶ島沖ブイ(http://www.agri.pref.kanagawa.jp/suisoken/Kaikyo/i-buoy.htm
        I--三崎瀬戸
        I--急潮情報
     携帯海況図
        I--一都三県漁海況速報
        I--東京湾口海況図
        I--NOAA人工衛星画像
        I--関東東海/広域
        I--関東東海/伊豆諸島
     ライブカメラ
     下田キンメ市況

    黒い雲と黒い海を帆走する

    1月14日 月曜 曇り 風力 5から6(阿武隈独自基準


     0630自宅出発、0830MMF着。おお、やればできるじゃないか。ハーバーマスターも驚いていた。きょうは、1600までに帰宅しなければならないので、その分早めに出かけてみた。さすがにこの時間だと道は空いている。

     城ヶ島沖は黒い雲と黒い海。そして北東の風が強い。プロパンが依然として補充できていないので、ついに家からカセットガスコンロを持ち込んだ。船のガスカートリッジも残り少なく、ガスストーブに使っている2本から1本抜き取ってコンロに回した。


    黒い雲をバックにして、伊豆大島が「ぐでん」と黒い海に横たわっていた

     船につくと同時に、パックご飯を温めて、焼肉缶とで朝食にする。味付けは魚缶によくある「うま煮」とおなじで、味が濃い。肉という食感はあるけれど続けて食べるのは難しいかもしれない。お湯を沸かしているとようやく船の中が暖かくなってきた。きょうの服装は化繊のアンダーウェア上下に化繊長袖の上下、その上にフリースの長袖上下、さらにその上に作業着代わりの綿の長袖上下、そして、バイク用のレインジャケット上下。この格好でモトラに乗って、早朝の三浦半島を走ってきたが、とにかく寒くて凍えた。船室が暖まっても体は冷えたままだ。なので、バイクのレインジャケットの上からムストーのアウター(とはいっても一番安いコースタルモデル)上下をそのまま着てしまった。

     0930、艤装を終えて出港する。定置網を超えて安房埼灯台を右正横に見る位置まで南下してから北に反転してセールを上げる。ヘッドセールはNo3ジブ、メインはワンポイントリーフ。「阿武隈」は風に押されて横から風を受ける感じで流される。そのたびにセールアップを中断して、舳先を風に立て直し、再びマストににじり寄ってハリヤードを引く。メインセールがあがったら、今度は前甲板ににじり寄ってヘッドセールの固縛を解き、ジブハリヤードをヘッドセールのピークに取り付け、コックピットに戻ってハリヤードを引く。

     「阿武隈」はボルトロープとハンクスという旧態然の艤装なので、荒れている海でセールを上げ下げするときが一番怖い。セールを上げてタックが決まれば、あとは吹いていても波が高くてもなんとかしのげる。冬の北東の風は三浦半島で遮られて、MMFを出たあたり、三崎港の東側海域は比較的フラットなので、セールの上げ下げ、係船索やフェンダーの格納、取り付けの作業をするのに助かる。

     セールを上げてクローズホールドの左舷開きで東に向かう。剣崎灯台が10時の方向に来るあたりから北東の風が強くなる。No3とワンポイントリーフのメインで右舷側がぐっと落ち込む。ややオーバーパワー気味か。阿武隈独自基準でいうところの風力6だ。


    黒い雲にぎらつく海面。典型的な冬の海だ


    クローズホールド、左舷開きで帆走する

     そのまま、ベアして南に向かい、さらにジャイプして西に向かい城ヶ島南岸を進む。強風下のジャイプをなんとかこなした。メインセールを返したあとから、ヘッドセールの開きを替えるが、風が強くて引き込めない。「阿武隈」はだいぶ前にオートパイロットが壊れてしまってから、ジブシートの引き込みにウインチが使えないでいる(片手をティラーに取られるため)。

     クオーターリーで威勢よく帆走する。城ヶ島灯台の南に達したあたりで、ジャイプして南に向かう。さらにぐんぐん走る。うひー、気持ちいい。1100、帰路につく。北東方向にあるMMFに向かって間切って進む。東に向かうとまともに波を受けてなかなか進まないが、北に向かうとクローズホールドでも快走。1200に帰港する予定だったが、間切っているうちに時間がかかり、30分オーバーでMMFの入り口に到達した。出港して来た「Banquet」(YAMAHA 25 マイレディ)とすれ違う。航行中のBanquetを撮影したが、動画モードであったのを忘れていて、低解像度のデータしか記録できなかった。


    米海軍のアーレイバーグ級駆逐艦が相模湾方面に航行していった


    クオーターリー、左舷開きで帆走する

     帆走のまま、ヘッドセールを降ろして係船索とフェンダーをセット。次いでエンジンを始動して舳先を風に立ててメインセールを降ろす。そのまま機走で帰港、1300。急いで解装して下船、1330。MMF出発、1400。約束の1600までに帰宅できる思っていたが、「バス、バス、バス、クレーン車、バス、バス」の断続渋滞に巻き込まれて遅れてしまった。


    正午を過ぎて晴れてきた。クローズホールドで帆走しているとき、心象風景として、マストはこのぐらい倒れているように見える

    食糧と燃料を補給する

    1月3日 水曜 晴れ 無風

     1100、自宅出発。遅い時間だったが道は空いていた。と思いきや、国道1号線と交わる浜松町交差点でにわかに人が増えてきた。前の車がなぜかのろのろと動いていたおかげで、あと1台というところで信号待ちとなる。

     道脇の立て看板を見ると、箱根駅伝のために11時30分から1時間、国道一号線は通行止めになると書いてある。おおっと、そうだった、きょうは復路だ。時計を見ると11時29分。おいおいおいおいおいおい。信号1つ逃したおかげで1時間も足止め食うのか。時計は11時30分を過ぎた。広報車が、まもなく選手が通過することを告げて目の前を走っていく。国道側の信号が方向指示灯に変わった。沿道警備の警官がホイッスルを手にした。ぐあー、もうだめか。迂回しようにも国道一号を越えなければ三浦半島にいけない。

     と、信号が“直進と左折は進め”に変わった。左折車線がいっせいに走り出す、よっしゃー、ラストワンプレイで助かった、と思ったら、先刻のろのろ走っていた前の車が動かない。だぁー、なんなんだー! ああ、偶然手に入れた特等席で駅伝を観戦するつもりか。おじいさん、その気持ち分からないでもないけど、進める信号で止まったままというのはいかがなものでしょうか。こちらとら、先を急ぐので失礼っ、と脇をすり抜けて発進する。その後、おじいさんが、後ろに詰まっていた車列を巻き添えにして箱根駅伝を観戦できたかどうかは分からない。

     1300、MMF着。管理棟はまだ閉まっていたが、ハーバーマスターは漁港にいた。管理棟前の岸壁は釣りを楽しむ家族でうまっている。きょうは、巡航に必要な燃料や清水、食糧の搭載を予定していた。清水の補給は管理棟前の岸壁で行う必要があるが、管理棟が休みなのできょうはできない。釣りはそのまま続けていていいですよ。

     アクティブな船乗りが多いMMFにはめずらしく、船に人影を見なかった。その代わり、ゲストバースが2隻の外来艇でにぎわっていた。

     前回修復したスタンション基部の甲板をチェックする。暗くて手探りで締めたボルトが案の定ゆるゆるだったので、“目で確認しながら”増し締めをする。締め終わってからスタンションをゆすってもビクともしない。明るいところで改めて修復箇所を見ると、その仕上げは強烈に荒いが、自己満足度は高い。

     前日に自宅隣の99円ショップで調達した食糧を船に搭載する。今回用意したのは阿武隈の備蓄食糧となる「1人で1週間無補給航海に耐えうる」+「荒天食」(内訳と定数はこちらを参照のこと)で、調達にかかった費用は約9000円。備蓄場所も、これまでの前部船倉においた“トロ箱”から、船室のセティーバース下のボンクに移した(トロ箱のときは、船の動揺で中身が散乱していた)。ただ、“3食分”だけは、すぐに使えるようにギャレー下の物入れに収納する。

     ポリタンクの軽油を船の燃料タンクに入れる。10リットル入れて燃料タンク満杯になったところでポリタンクも空になった。なんだかんだいっても軽いポリタンクから先に消費するので、スチール缶の軽油が残ってしまう。そこで、スチール缶からポリタンクに軽油を移し、スチール缶に町のガススタンドで軽油を20リットル調達した。ポリタンクとスチール缶に入っている軽油は2006年に予定していた伊豆諸島海域巡航の準備で用意しているので、2年弱かかって30リットルを消費したことになる(ただし、2006年に予定していた巡航は天候の関係で波浮港に寄港したのみだし、2007年は巡航どころか出航すらままならなかったという事情も考慮しなければならない)。

     コックピットロッカーから、この「阿武隈」を購入してからこのかた使っていない「オーニング用骨組みセット」の塩ビ管と式根島で帰る観光客から譲ってもらったタモ網を廃棄する。

     ヘッドセールのハンクスに防錆潤滑油をかける。使っているレギュラージブより、使用頻度の低いジェノア、まったく使っていないストームジブの状態がひどかった。ストームジブは固着したハンクスも多かったので、このままでは緊急を要するイザというときに危険だった。予定では、ヘッドセールのテルテールを張りなおすつもりだったが、余っていたテルテールシールが見つからない。後日調達して作業をすること。

     清水とプロパンガス以外の物資は補給できた。プロパンガスの充填にはいつも手間取る。三崎港周辺では、平日しか店が開いていない。MMFには依頼できないしさすがのモトラでもプロパンのボンベを載せて横浜の自宅まで走るのは気が引ける(法に触れる行為だったはず)。カセットコンロに切り替えるべきか否か。いったん補充できれば、その大容量とコストは魅力的なのだが。

     1800、下船。翌日から海外出張が控えていたので、出航せず、作業項目も減らして早めに引き上げるつもりだったが(予定ではシュラウドのテンションもチェックするはずだった)、結局いつもと同じように暗くなってから船を下りることになった。