阿武隈 twitter版

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    黒い雲と黒い海を帆走する

    1月14日 月曜 曇り 風力 5から6(阿武隈独自基準


     0630自宅出発、0830MMF着。おお、やればできるじゃないか。ハーバーマスターも驚いていた。きょうは、1600までに帰宅しなければならないので、その分早めに出かけてみた。さすがにこの時間だと道は空いている。

     城ヶ島沖は黒い雲と黒い海。そして北東の風が強い。プロパンが依然として補充できていないので、ついに家からカセットガスコンロを持ち込んだ。船のガスカートリッジも残り少なく、ガスストーブに使っている2本から1本抜き取ってコンロに回した。


    黒い雲をバックにして、伊豆大島が「ぐでん」と黒い海に横たわっていた

     船につくと同時に、パックご飯を温めて、焼肉缶とで朝食にする。味付けは魚缶によくある「うま煮」とおなじで、味が濃い。肉という食感はあるけれど続けて食べるのは難しいかもしれない。お湯を沸かしているとようやく船の中が暖かくなってきた。きょうの服装は化繊のアンダーウェア上下に化繊長袖の上下、その上にフリースの長袖上下、さらにその上に作業着代わりの綿の長袖上下、そして、バイク用のレインジャケット上下。この格好でモトラに乗って、早朝の三浦半島を走ってきたが、とにかく寒くて凍えた。船室が暖まっても体は冷えたままだ。なので、バイクのレインジャケットの上からムストーのアウター(とはいっても一番安いコースタルモデル)上下をそのまま着てしまった。

     0930、艤装を終えて出港する。定置網を超えて安房埼灯台を右正横に見る位置まで南下してから北に反転してセールを上げる。ヘッドセールはNo3ジブ、メインはワンポイントリーフ。「阿武隈」は風に押されて横から風を受ける感じで流される。そのたびにセールアップを中断して、舳先を風に立て直し、再びマストににじり寄ってハリヤードを引く。メインセールがあがったら、今度は前甲板ににじり寄ってヘッドセールの固縛を解き、ジブハリヤードをヘッドセールのピークに取り付け、コックピットに戻ってハリヤードを引く。

     「阿武隈」はボルトロープとハンクスという旧態然の艤装なので、荒れている海でセールを上げ下げするときが一番怖い。セールを上げてタックが決まれば、あとは吹いていても波が高くてもなんとかしのげる。冬の北東の風は三浦半島で遮られて、MMFを出たあたり、三崎港の東側海域は比較的フラットなので、セールの上げ下げ、係船索やフェンダーの格納、取り付けの作業をするのに助かる。

     セールを上げてクローズホールドの左舷開きで東に向かう。剣崎灯台が10時の方向に来るあたりから北東の風が強くなる。No3とワンポイントリーフのメインで右舷側がぐっと落ち込む。ややオーバーパワー気味か。阿武隈独自基準でいうところの風力6だ。


    黒い雲にぎらつく海面。典型的な冬の海だ


    クローズホールド、左舷開きで帆走する

     そのまま、ベアして南に向かい、さらにジャイプして西に向かい城ヶ島南岸を進む。強風下のジャイプをなんとかこなした。メインセールを返したあとから、ヘッドセールの開きを替えるが、風が強くて引き込めない。「阿武隈」はだいぶ前にオートパイロットが壊れてしまってから、ジブシートの引き込みにウインチが使えないでいる(片手をティラーに取られるため)。

     クオーターリーで威勢よく帆走する。城ヶ島灯台の南に達したあたりで、ジャイプして南に向かう。さらにぐんぐん走る。うひー、気持ちいい。1100、帰路につく。北東方向にあるMMFに向かって間切って進む。東に向かうとまともに波を受けてなかなか進まないが、北に向かうとクローズホールドでも快走。1200に帰港する予定だったが、間切っているうちに時間がかかり、30分オーバーでMMFの入り口に到達した。出港して来た「Banquet」(YAMAHA 25 マイレディ)とすれ違う。航行中のBanquetを撮影したが、動画モードであったのを忘れていて、低解像度のデータしか記録できなかった。


    米海軍のアーレイバーグ級駆逐艦が相模湾方面に航行していった


    クオーターリー、左舷開きで帆走する

     帆走のまま、ヘッドセールを降ろして係船索とフェンダーをセット。次いでエンジンを始動して舳先を風に立ててメインセールを降ろす。そのまま機走で帰港、1300。急いで解装して下船、1330。MMF出発、1400。約束の1600までに帰宅できる思っていたが、「バス、バス、バス、クレーン車、バス、バス」の断続渋滞に巻き込まれて遅れてしまった。


    正午を過ぎて晴れてきた。クローズホールドで帆走しているとき、心象風景として、マストはこのぐらい倒れているように見える

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