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    “阿武隈独自基準”の風力階級とは

    “「阿武隈」週末行動”の記事にはその日の気象情報を記載しています。当初はMICSで公開されている剣崎灯台の観測データを記載していましたが、2007年4月から「阿武隈独自基準」の風力階級を掲載しています。

     通常、風力の測定には「ビューフォート風力階級」を参考に定められた風力階級表を使います。海上では海面の波の状況から風力を判断しますが、私は観察力が乏しいため、「さざなみが立つ」(風力1)、「波頭が砕ける」(風力2)、「小さな波が立つ」(風力3)、「水面に波頭が立つ」(風力4)、「泡や白波が立つ」(風力5)、「波が重なりしぶきが飛ぶ」(風力6)、「水の泡が筋を引く」(風力7)といった海面の状況を未だに区別できません。

     調べてみると、ビューフォートの風力階級は帆船の帆装と風の関係から決められていたとされています(ビューフォートは考案者である英国海軍提督“フランシス・ビューフォート”からきています。ビューフォートが定めた風力階級とシップ型帆船の帆装の関係は、早川文庫の海洋小説「ジャック・オーブリー」シリーズの巻末解説に記載されています)。そこで、「阿武隈」でもその方法をまねて、26フィートのマストヘッドリグ・スループにおける帆装状況を基準に風力階級を私的に定めて運用してみることにしました。

     阿武隈で定めた「阿武隈風力階級」を以下に示します。風力階級は、使用しているヘッドセールとメインセールの種類と帆走の状態(おもにクローズホールドにおけるヒール角)との関係で決めてみました。

    「風力0」
    ・帆走不能

    「風力1」
    ・ジェノアとフルメインで舵効速度が得られる
    ・ジブとフルメインで帆走不能

    「風力2」
    ・ジェノアとフルメインでゆっくりと帆走できる
    ・ジブとフルメインで舵効速度が得られる

    「風力3」
    ・ジェノアとフルメインで適切なヒール (クローズホールドで20度程度)を得て、快速な帆走ができる
    ・ジブとフルメインでゆっくりと帆走できる

    「風力4」
    ・ジェノアとフルメインでオーバーパワーとなり風下舷が水に潜る (クローズホールドでヒール角30度超)
    ・ジェノアと1ポイントリーフで適切なヒール (クローズホールドで20度程度)を得て快速な帆走ができる
    ・ジブとフルメインで適切なヒール (クローズホールドで20度程度)を得て、快速な帆走ができる

    「風力5」
    ・ジェノアと1ポイントリーフでオーバーパワーとなり、風下舷が水に潜る(クローズホールドでヒール角30度超)
    ・ジブとフルメインでオーバーパワーとなり、風下舷が水に潜る (クローズホールドでヒール角30度超)
    ・ジブと1ポイントリーフで適切なヒール (クローズホールドで20度程度)を得て、快速な帆走ができる

    「風力6」
    ・ジブと1ポイントリーフでオーバーパワーとなり、風下舷が水に潜る (クローズホールドでヒール角30度超)
    ・ジブと2ポイントリーフで適切なヒール (クローズホールドで20度程度)を得て、快速な帆走ができる

    「風力7」
    ・ジブと2ポイントリーフでオーバーパワーとなり、風下舷が水に潜る(クローズホールドでヒール角30度超)
    ・ストームジブと2ポイントリーフで適切なヒール(クローズホールドで20度程度)を得て、快速な帆走ができる

    「風力8」
    ・ストームジブと2ポイントリーフでオーバーパワーとなり、風下舷が水に潜る(クローズホールドでヒール角30度超)

    「風力9」
    ・2ポイントリーフでオーバーパワーとなり、風下舷が水に潜る(クローズホールドでヒール角30度超)

    「風力10」
    ・帆走不能

     「阿武隈」はストームジブを搭載していますが実際に使ったことはありません。そのため、「風力8」以上の風力階級は検証されていない「仮の指標」になります。

     「阿武隈」の風力階級は、あくまで私が勝手に定めたもので、汎用性はまったくありませんし、客観的な気象データとしての信頼性を保障するものでもありません。ただ、「阿武隈風力階級」に示した各帆装ごとにヨットの入門書などで適切とされている風速と、ビューフォート風力階級における相当風速がほぼ一致しているので、気象データとそれなりに連動して使えるのではないかと考えています。

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