阿武隈 twitter版

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    式根島巡航(2008年4月)

    4月28日月曜 曇りのち晴れ 北東の風 風力3(阿武隈独自基準)

     0230、起床。寝起きの頭でも作業の抜けがないようにチェックリストにしたがって出港準備を進める。お湯を沸かして水筒に詰め、パックご飯と餅を温める。

     0330、下弦の月を見ながら暗い海に出る。風は北東だが弱い。港を出て係船索やフェンダーを片付けていると不意に前方からひと筋の波が寄せてきた。んっ!と周囲を見渡すと、まったく気が付かないうちに三崎港から出てきた小型漁船の集団に囲まれていた。回避義務はこちらにある位置関係で危ないところだった。

     0400、安房埼灯台正横でセールアップ。風が弱いのでメインだけをあげて機帆走で進む。海流速報によると黒潮が伊豆大島近辺まで北上している。逆潮で難航するかと思ったが、5~6ノットと思いのほか船足が伸びる。海上はもやがかかり視界が利かない。伊豆大島北端の風早崎まであと1時間足らずのところまで来ているはずなのにうっすらとも見えない。






    少しずつ夜が明けていく。晴れると思ったが雲が多く、空と海は鈍く輝いた

     0830、風が上がってきたのでジブを揚げて帆走する。速度は3ノットから4ノット。0900、風早崎と乳が崎の姿がかすかに見えてきた。1000、風早崎正横。風が落ちてきて進まないので機帆走に移るべくエンジンを始動する、と水温のアラームが止まらない。船尾からは冷却水が出ているが十分な量かどうかよく確認できない。

     こういうとき、エンジンの回転数を上げるとアラームが止まることが多々ある。しかし、このときは鳴り続けた。エンジンを止めて、洋上で冷却水系の各部チューブを外し、そのつどエンジンを始動しながら冷却水が来ているか確認する。冷却水ポンプからミキシングエルボの手前まで水は来ている。サーモスタットの故障か。アラームが鳴り続けるなか機帆走するのは耐えがたい。となると残りの航海は帆走ということになる。

     この状況で、式根島に向かうか、近くの波浮に向かうか、勝手知ったるMMFまで戻るか。風が弱いなか黒潮に逆らって帆走するのは時間がかかる。残り20海里以上残して帆走で式根島に向かうと夜間入港は必至になる。新島の若郷港も日没までには間に合わない可能性がある。

     目の前の波浮港に向かうか。しかし、いったん波浮について、エンジン修理となったらすぐには出港できなくなる恐れもある。明日は高気圧が張り出してくるので十分帆走できる風も期待できない。この時期の波浮港に船を泊めるスペースが空いているかどうかも分からない。


    ぼんやりと伊豆大島北端の風早崎と乳が崎が見えてきた



    機帆走中は5~6ノットで快走できたのだが

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