阿武隈 twitter版

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    カモメの編隊に包囲される

    2月2日土曜 晴れのち曇り。北東の風 風力5から4、のち5(「阿武隈」独自基準

     原則、土曜は稼動しない「阿武隈」だが、日曜に雪が降るとの予報で出撃する。1000、自宅出発、1200、MMF到着。「みらい」の船長に会う。怪我の治療でしばらく来れず、久しぶりの港とのこと。怪我をしたときの状況と治療の内容を聞く。聞いているこちらがむずむずと痛くなってくるほどの内容だが、本人はいたってさりげなく、まるで「けつまづいて転んじゃった」ぐらいの感じで話す。

     1300、上船。お湯を沸かし水筒につめて出港する。1330。港の出口で帰港する「バーバリアン」と行き会う。撮影しようと思ったが、カメラのバッテリーが消耗していてズームをかけようとしたとたん落ちてしまった。バーバリアンの雄姿が撮影できませんでした。すみません。

     舵柄の角度が俯角気味でオートパイロット(相変わらず壊れたままだが、舵柄を固定するときに使っている)が舵柄のピンから外れてしまう。手元に丸めておいた“使用済みティッシュ”をスペーサー代わりに舵頭へ突っ込む。うまい具合に舵柄が仰角になってオートパイロットが外れなくなった。後日、舵軸トップにゴムシートでスペーサーをかませておくこと

     1400、セールアップ。ヘッドセールにジブ、メインにはワンポイントリーフを入れる。左舷開きのクローズホールドで東進。程よいヒールがかかって快走する。阿武隈独自基準の風力5だ。反転して西に向かう。南西沖ブイ(城ヶ島南西沖浮漁礁灯浮標)を目指す。


    きょうも海は黒くギラリと輝いていた

     帆走する船で昼食を取る。インスタント味噌汁に家から持ってきたホイコーロ。それにクラッカーを砕いて入れる。見た目は悪いがおいしい。おなかも膨れる。

     城ヶ島に南に差し掛かったあたりから風が弱くなってきた。追手だから風を感じないのか。でも、舷側の水の流れもゆったりしてきたように思える。島影で風が遮られたか。シングルハンドでリーフを切り替えるのはなかなかしんどいので、はじめに小さくセットしてあとは手を出さないのだが、思い切ってメインセールのリーフを解除した。船を風に立ててジブで帆走したままメインシートをリリース、マストににじり寄ってリーフロープをリリースしてメインセールを上げる。何とかできた。

     風はそのまま落ち続けて船足は伸びない。1500、南西沖ブイを目の前にして反転する。あと30分、いや、15分というところだったが、片道の15分は往復の30分になる。日の短いこの季節の30分は大きい。


    南西沖ブイを目前にして西の空を撮影する。太陽の右側に輝いているのはレンズのフレアではなく、太陽の光が巻層雲に反射して一部分が突出して輝いている状況(=幻日)だ(通常は輪状に光る=日傘雲)

     復路は間切って東進と北上を繰り返して進む。東に進むにつれて風が強まり、ヒールも30度を超えるようになる。再びリーフすべきタイミングであるが、日没が近いためスピードを優先してこのまま突き進む。東進中は波が正面から向かってきて船足がのびない。針路も真東微南に下げる。北上中はすべるように走って快適だった。

     もうまもなく安房埼灯台を正横に見るあたりで、カモメが集まってきた。出港したときから「いつもより多いな」と感じていたが、いつのまにか「阿武隈」は四方をカモメの編隊に包囲されていた。

     港で見るカモメは顔つきがきつく、いかにも「海のギャング」という風貌だが、海に出てノタノタ帆走していると寄ってくるカモメは愛嬌がある。甲板をひとしきり覗き込んでから去っていくその姿は、ずんぐりしていて意外とかわいい。

     宮川湾手前の海域を埋め尽くすかのように集まってきたカモメたちは圧巻だった。カモメぐらいのサイズの鳥が集団で飛んでいると、普通なら恐怖を感じるはずだが、海で見るカモメはやっぱり愛嬌があってユーモラスだった。

     1700、日没直前に帰港。ただし、夕方は雲が出てきて太陽はすでに姿をけして、薄暗くなっていた。帰港直前に両舷灯とマスト灯、船尾灯を点灯したが、両舷灯が接触不良で明滅する。要修理

     解装に1時間、日誌をつけて紅茶で休息。1900、下船。帰宅したのは2130を回っていた。夕食の時間には家にいてほしいと家族から要望あり。

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