阿武隈 twitter版

    follow me on Twitter

    巡航に備えて整備する(その1)

    5月20日 日曜 晴れ 風速6メートル(剣崎灯台観測値)

    1000、自宅出発。1210、MMF着。1230、上船。

     きょうは、来週予定している伊豆諸島巡航の準備をするため港に留まる。しかし、連休に入る前からいままで体に負荷がかかっていたためか、キャビンにたどり着いて一息つくつもりが、そのままフォクスルで1時間半ほど寝てしまった。目を覚まして食事。食糧庫に残っていた最後のパックご飯と鳥缶貝缶を温めている途中でプロパンガスが切れた。

    「うっ」

     「まあ、カセットガスコンロを持ち込めばいいでしょう」と気を取り直して、エンジンオイルの交換するべく機関室を開けたら床一面にビルジが“なみなみ”と溜まっていた。あと数ミリで仕切りを越えてキャビンにあふれるところだった。前回離船するときにはビルジはなかった。指につけてなめてみると塩辛い。

    「うっ!」

     排水するため、船尾に取り付けた手動のビルジポンプを初めて使う。レバーを引いて、ポンプのゴムが「パコン」と音を立てたら思いっきり押す。排水は船尾方向に流すだろうと思いきや、コックピットで操作している私の顔に向かってビルジが噴出した。

    【整備項目追記】排水を誘導するホースをビルジポンプに取り付けること。

     ビルジの原因は、船に来なかった1カ月間で溜まりに溜まったグランドパッキンからの漏水だった。クォーターバースにある整備窓から上半身を機関室にもぐりこませてグランドパッキンのナットを増し締めする。この作業は姿勢がきつくいつもつらい。そして、ナットを緩める方向をいつも忘れてしまう。

    【備忘録】グランドパッキンのナットが緩む方向=>船首は右舷側にまわす。船尾側は左舷側にまわす。


    ソレイユルボンは左舷側にあるクォーターバースに機関整備用の窓が用意されている。そこから機関の後ろ側とシャフトがこんな感じに見える


    グランドパッキンのナットは船首側の袋ナットの加減でシャフトを冷却する海水の流量を調節し、船尾側のロックナットで袋ナットの位置を固定する。それぞれを緩めるときは袋ナットを右舷側に、ロックナットを左舷側に回すこと


    1GMはウォーターポンプのシャフトから水漏れを起こしやすく、その海水が下にあるオイルパイプを錆びつかせてしまう。その予防のために、機関室を開けたときはKURE666をウォーターポンプの下回りに吹き付けるようにしている。今回は漏れた海水を吸い取るスポンジを置いてみた

     このあたりでいい加減疲れてきたが、この日の作業はまだまだこんなものではすまなかった。

    0 件のコメント: