阿武隈 twitter版

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    坪田漁港に入港する

    竜王埼灯台を交わした辺りで日付が変わった。海は航海全般を通して穏やか。エンジンで突き進む。はかどるが、悔しい気分も少々。航海の面白味は少ない。


    新島の左脇(東側)に蛍光灯の列線が見える。操業する漁船だろうか。方位的には三宅島の方向だが、あんなに光り輝いているとは思えない。三宅島はその左に広がる暗闇の中だろうか。そのうち、三宅島と思っていた暗闇の右端に灯台の光が見えた。Flの15秒。サタドーの灯質だ。しかし、サタドー岬は三宅島の東側。三宅島と思っている暗闇の左側に光るはず。んん?なんだ。と思っているうちに夜が明けて島の姿が見えてきた。漁船と思っていた蛍光灯の列線は、三宅島のすそに広がる道路の街灯だった。あんなに三宅島は明るいのか。これは、意外だった。

    黒ずんで波打つ雲の合間からオレンジ色の光が突き抜けてくる。夜が明けた。振り返ると三宅島から虹が立ち上がり、その先は利島までかかっていた。壮大な眺めだった。虹はその後も三宅島のいたるところにかかっていた。

    三宅島の東側には3基の灯台がある。が、未明に光っていたのは1基だけだった。サタドー岬の灯台と思っていたが、夜が明けて見えてきた灯台の位置と高さが違う。高さ的には三池港の灯台に近い。ただ、灯質はサタドー岬の15秒周期だ。うー、どういうことだろうか。調べがもれていたのか。

    0700、坪田漁港に入港。2005年に係留したのと同じ場所につける。その瞬間に大粒の雨が降ってきた。なるほど、虹もかかるわけだ。坪田漁港の中は変わっていた。西側の船溜まりは水没して使える岸壁が一部だけだったが、改修されて深さも確保できている。

    係留を終えて東側岸壁にいる船長に係留の確認をする。その船長から深さが十分でないかもしれないが、東側岸壁に泊めたほうがいいとのアドバイスを受ける。シフトして、指定された場所につけなおす。

    船上と船内を簡単に整理して、ひと眠り。昼前に目を覚ます。「阿武隈」の前に泊めている漁船の船長に挨拶すると、「本当は泊めてはいけないんだがなあ」とのこと。その後、港湾管理担当官が来船して、入港届けの提出を求められる。改めて聞くと、プレジャーボートは阿古漁港に泊めるようにしてもらいたいそうだ。

    後は船で昼寝をしたり高台から御蔵島を眺めたりしながら過ごす。

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