阿武隈 twitter版

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    暁の海を帆走する

    5月9日 晴れ 北東の風 風力4(阿武隈独自基準)

    昨夜、船内を蚊が飛んでいた。最後の蚊取り線香を焚く。前夜の船内消灯は2100。で、0330にアラームがなるまでぐっすりと眠れた。夜具は毛布一枚。寝袋と違って体にまとわりつかないのがいい。片付けるのも楽だ。

    薄明が始まっているが、空はまだ暗い。寝る前にマストを鳴らしていた風が止んで、風車がピタリと止まっている。うーん、風がないのか。どうしようか。夜が少しずつ明けていく。0420、風車は止まったままだが、北の風がかすかにそよぎ始めた。

    0430、出港する。東の空が朱に染まるが、薄雲がたなびいて朝日は見えない、と思っていたら丸く大きな太陽が「ぬ」と顔をみせた。メインセイルを揚げると、朝日に照らされて紫から橙色に、ついで山吹色になり、太陽が昇るにつれて白く輝いた。

    0510、ジブとフルメインの組み合わせで帆走を開始する。クォーターリーで南と西に向かう。最初はそろそろと2ノット程度で走っていたが、太陽が昇ったら風も徐々に上がり、すぐに4ノットに達して快適な帆走になった。

    風が北東にふれる。「阿武隈」はほぼ西に向かって走り続けた。まもなく、前方ちょい右舷に南西ブイが見えてきた。おおおお、出港時の無風から帆走でここに来れるまで風が上がるとは。

    0640、南西ブイに到達。反転して帰路につく。帰りは北東に風を受けて北と東に間切って進む。安房埼灯台の南2海里まで戻ってきたとき、10時の方向にY23らしき船影を確認する。

    この時間にここにいるY23は、船長が未明の0130に起床して0230に自宅を出発し、0400にまだ夜が明けぬMMFの浮き桟橋を自艇に向かってノシノシと歩いていた「Princess Bay II」以外にあり得ない。

    「阿武隈」のタックに合わせて「Princess Bay II」もタックする。しばらくの間「シンクロセイリング」みたいな帆走を楽しみつつ、足の早い「Princess Bay II」は一足早くMMFに姿を消した。それに遅れること30分、0930に「阿武隈」もMMFに帰港した。港の入り口で「YeeHAW!」のメンバーを満載して出港する「Jupiter II」とすれちがう。

    「Princess Bay II」船長にセイルたたみを手伝ってもらいながら解装し、1030、下船。

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